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麻雀店のネット広告の難しさ、3つ目は、フリー麻雀店は疑いようもなくリアルに根付いた文化であり、ネットで宣伝することの意義が見えなかった点。
当時、すでにフリー麻雀店の経験があり、なおかつネットユーザである層は少なかった。これはネットの普及にしたがって漸次増えていくとしても、新規客を呼び込まなければ広告の意味は半減する。
ネットは、とりあえず金の事とか損得とかは抜きにしましょうや、というのが常識と見なされていたし、有料のサービスへの忌避感*1も強かった。一方でフリー麻雀店は言うまでもなく、天下の回り物が人と人の間を行き交う場所である。リアルそのものだと言っても良い。しかも、ハウスは平時にも逆恨みを受けやすい。
また別の面でいうと、ネット麻雀とリアル麻雀が対立項になっていた、という事実もある。ネット麻雀「天鳳」がヘゲモニーを握る2007年より前、2ちゃんねるの麻雀板には必ず「ネット麻雀VSリアル麻雀」というスレがあった。リアル麻雀とネット麻雀、どっちが偉いか、どっちが上手いか、どっちが本物の麻雀か、という死ぬほどしょうもない口ゲンカが少なくとも5年は続いたのだ。その流れにトドメを刺した天鳳でも、今年になって「雀荘モード」導入の話題が麻雀ブログ界隈で盛んになっている。対立の根の深さが窺える。
まあ昨日も書いたように自分は臆病者で、臆病者は都合の悪い場面になると無闇に雄弁な言い訳を始めるものだ。要するにネット上の広告については、余り直接的な効果を期待していなかった、という話なのだろう。


多分まだ続くと思う。

*1:嫌儲と言うらしい